西島秀俊、モトーラ世理奈に「絶対バレてる」とツッコミ『風の電話』公開記念舞台挨拶



『風の電話』公開記念舞台挨拶が行われ、モトーラ世理奈、西島秀俊、三浦友和、諏訪敦彦監督が登壇した。(2020年1月25日 新宿ピカデリー)

天国に繋がると言われている「風の電話」が、岩手県大槌町に実在する。2011年にガーデンデザイナーの佐々木格が、死別した従兄弟ともう一度話したいという思いから自宅の庭にラインの繋がっていない黒電話を設置。東日本大震災以降、「風の電話」のもとには同じような思いを抱えた人々が訪れ、その数は3万人を超える。

本作は「風の電話」をモチーフに、東日本大震災で家族を失ったハルが、広島から故郷の岩手県大槌町へ向かう旅の途中で、様々な出会いをするロードムービー。

主人公であるハルを若手女優のモトーラ世理奈が演じており、公開初日に新宿ピカデリーで本作を観ていたと話すと「ここに来たの?絶対バレてると思う(笑)」と早々に西島から突っ込まれ、思わずはにかんだ。さらには、一番後ろの席に座っていたというモトーラは「みなさんがどういう風に観ているのかを気にしました」とそわそわしながら観ていたことを吐露。

2回目のオーディションが即興芝居だったことを振り返ったモトーラは「自然に相手を感じられて、何となく私は即興芝居が合っているかもと思った」と自身の才能に気づき、諏訪監督も「モトーラさんだけが違う存在感なんです。1つ質問すると数分くらい答えが返ってこないんですよ。それを待つんですけど、見ていて飽きないというか、この人をずっと見ていられるなと。それがもう映画的な存在だなと思いました。言葉だけでなく何かが常に出ていて、それを僕たちは感じてしまうので」と独特の間合いと雰囲気を放つモトーラの魅力を絶賛。

ハルが旅の途中で出会い、行動を共にする森尾役の西島は「最初に台本をいただいていたので、役のバックグラウンドは掴んでいて。実際に震災の被害にあったみなさんのお話を聞いて、当時のことだけじゃなく、小さい頃どんな風に過ごしたとか、趣味や好きな食べ物とか、ありとあらゆることをお聞きしました」と難役への役作りを明かした。

モトーラの印象を聞かれた西島は「現場でやらなければいけないことを一番わかっている人で、僕がむしろ教えてもらいたいぐらいの、諏訪監督の現場でやらなきゃいけないこと、やってはいけないことがはっきりわかってる人なんだと思って。(撮影の途中から入ったので)この現場がどういう風に進んでいて、何が大事なのかを彼女を通して知りたいなと思うぐらいしっかり出来上がっていた」と現場での存在感に感服したようす。

ハルを助け、彼女に影響を与える公平役の三浦も「モデルさんの雰囲気がありますけど、劇中では女子高生で、その違和感がまったく無く、すっと入っていけると言いますか」と讃えたが、三浦を見つめていたモトーラに対して「見ないでくれる?緊張するから(笑)この人が見ていると本当に緊張するんですよ。何していいかわからなくなる、そんな感じが映っていると思うので、そこを観てください」と笑いを誘いながらも見どころを紹介。

また、メガホンを取った諏訪監督は「どんな作品になるんだろうって思いながら作っていました。ハルと一緒に旅をしていくという感じの撮影で。その途中で色んな人と出会って、また別れていく。色んな人が様々な状況や困難を生きている中で、そっと寄り添うものでありたい思いがありました」と作品に込めた思いを述べた。

「第70回ベルリン国際映画祭」ジェネレーション部門への出品が発表され拍手が響き渡り、最後の締めの挨拶ではモトーラが「来てくださってありがとうございます。ぜひハルとの旅を楽しんでください。温かい空気に包まれて帰っていただけたら嬉しいなと思います」と笑顔で客席に呼びかけた。

取材・撮影 南野こずえ

『風の電話』
配給:ブロードメディア・スタジオ
© 2020映画「風の電話」製作委員会
大ヒット公開中

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